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2025/02/02土屋賢司先生教育講演&会員症例報告を開催します

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  • 日時:2025年2月2日(日) 09:30〜16:00
  • 講師:土屋賢司先生(東京都千代田区ご開業)
  • 会場:熊本県歯科医師会館ホール(4F)
  • 費用: 2,000円(熊本支部正会員) 5,000円(準会員および他支部正会員)
    • 非会員の方は準会員にご登録必須(無料)とします
    • 上記には昼食お弁当を含みます
    • オンライン配信はいたしません
  • 申込:マイページよりご登録ください
  • 主催:日本臨床歯科学会 熊本支部事務局
    • 熊本市東区小峯1丁目1-95
    • 096-331-0567(fax331-0577) taka@ourdent.com
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Paradigm Shift Prosthetic Dentistry

土屋賢司先生(東京都千代田区ご開業)

複雑な不正咬合等にアプローチするためは患者ごとに異なる骨格や習癖との調和、Weak link theoryにまつわる咬合力のダメージを受けやすい箇所への配慮等さまざまな要素に対し、試行錯誤を行いながらの治療過程を強いられる。咬合はそのような形、数字に現れにくい要素を持っているため結果が見えにくく、それゆえ処置を躊躇してしまいがちである。そのような際、自身も20年程前より行っているが、咬合治療のスタートラインにおいて、顔貌からの中切歯の位置とセファログラムによる骨格と歯列との関係を診るといった、いわば可視化する方法をとることで一つの基準を得る事は咬合再構成にとって非常に有用である。

今回、複雑な症例における総合的アプローチの方法と補綴治療に必須な技術的な部分に関して、補綴材料や機器などを考慮に入れた自身の現在考えるコンセプトなどを説明したい。これから補綴治療を手掛けようとする若い先生方の治療指針の糧となれば幸いである。                   土屋賢司






下顎大臼歯部欠損を有する骨格性3級反対咬合の患者に対し包括的治療を行った症例

やまだ歯科 山田宗敬 〒862-0963熊本県熊本市南区出仲間7-1-36

前歯部が反対咬合の場合、アンテリアガイダンスの欠如により臼歯部の干渉を起こし、咬合性外傷やクラックに起因するカリエス治療の繰り返しの末の歯根破折、または局所的な歯周病の進行などで臼歯部から欠損が拡大することが多い。その場合、単に欠損した臼歯部をインプラントなどで補綴するだけでは同じ理由でインプラント及び対合歯に問題が起こってしまう。根本的な解決のためには前歯部の被蓋の改善が必須である。 本症例は初診時64歳男性で右上3番の欠損を伴う骨格性3級の反対咬合を呈していた。ブラキシズムの既往もあり臼歯部からの崩壊が始まっていた。そこで咬合崩壊を阻止するためバーティカルストップを臼歯部のインプラントで回復させた後、矯正医による全顎矯正を行い、前歯部の被蓋が改善した上で右上3番にインプラントを埋入しアンテリアガイダンスを獲得した。治療は長期に及んだものの患者満足は得られた。しかし、多少生理的に無理のある前歯部の歯軸になり、審美性、予知性に不安を残す結果となってしまった。これは治療開始前の診断や治療計画の立案の不備によるものであり、今回は反省点も含め発表させていただく。 本演題に関して開示すべき利益相反状態はありません。




MIを考慮して全顎的治療を行った一症例

陶山 新吾 陶山歯科医院  〒830-0023 福岡県久留米市中央町11-9

MIの概念は、2000年にFDI(国際歯科連盟)により提唱されてから広く浸透し、修復治療を行う際には考慮すべき概念となっている。接着歯学の進歩もあいまって、前歯のみならず臼歯においても従来の全部被覆冠のように保持形態、抵抗形態を付与することなく、可能な限り歯を温存することが推奨されるようになってきた。 今回提示する患者は初診時54歳女性、他院にて根管治療後の全顎的治療の相談を主訴に来院。全顎的に歯冠修復治療が行われており、その全てが不適合修復物及び二次う蝕であった。早期接触による顎偏位、アンテリアガイダンスの欠落、歯列不正を認めた。歯質の削除量を最小限にするために、アライナー矯正を行なった。既に全部被覆冠が装着されていたり、大部分のエマメル質を失っている大臼歯に対しては、全部被覆冠で処置を行った。エナメル質が十分に存在している下顎6前歯および上顎4前歯にはパーシャルベニア、舌面の機能回復が必要な犬歯にはサンドイッチベニア、小臼歯には隣接面を含むベニアレイ形態(Inter proximal included veneer)を選択し、最小限の歯質削除量で全顎的な治療を行い、患者の満足する審美性と機能性を獲得することができたため報告する。諸先生方のご意見、ご指導の程よろしくお願いいたします。




重度酸蝕症患者に対する全顎的審美・咬合再構成治療の一例

並木坂デンタルクリニック 添島 賢一

本症例は、約7年間の嘔吐により全顎の歯が重度の酸蝕症に侵され、顎位の不安定や審美性の低下が認められた患者に対する治療を報告する。酸蝕症は酸性物質への長期的暴露が原因で歯質が崩壊し、咬合や顎機能に深刻な影響を及ぼす疾患である。本症例では、審美的要求と咬合再構成の両立を目指し、咬合高径の設定、補綴設計、機能回復を包括的に計画している症例について治療途中ではありますが発表を行い土屋先生をはじめ熊本SJCDのメンバーの先生のご助言をいただきたいと思います。